2019.12.2ガラスコーティング前の正しい下地処理方法!
ガラスコーティングをする時に下地処理って必要なの?
ガラスコーティングをしようと思って調べていくと「下地処理」についてたどり着く方が多いと思います。
なぜガラスコーティングの際に下地処理を行うのか、その目的は…
買ったばかりの綺麗でピカピカな車だとあまり必要ないのですが、ガラスコーティングは自動車のボディーをガラス被膜で包むものです。(自動車をラップで包む図を想像して頂くとわかりやすいと思います。)
なので、包む前のボディーに洗車傷や汚れ、水垢などがついてしまったままガラスコーティングを施工してしまうと包んだガラス被膜の中にずーっと閉じ込められたままになってしまいます。
そうならないためにもしっかりときれいな状態にしてガラスコーティングする為にも下地処理は必要な作業のです。
更に下地処理を施すことにより、
コーティング剤が馴染みやすくなり、コーティングの効果を最大限発揮することができます。
下地処理を施すだけで、ガラスコーティングの仕上がりが全く異なるので、下地処理は出来る限りしっかりと行うことが必要です。
「あの人の車同じ色なのにすごくきれいだな」なんてときは、下地処理がしっかりと施されている場合が多いんですよ。
では実際に、下地処理を行っていくうえで、どういった汚れがあるのか、必要なものや手順を見ていきたいと思います。
下地処理で落とす汚れについて
ガラスコーティングの前に下地処理で汚れを落とす必要性は
ご理解頂けたかと思います。
次に、どのような汚れを落とせば良いのかを紹介していきたいと思います。
実は、汚れの中にも種類があるってご存知でしょうか?
汚れには大きく分けて2種類あります。
この汚れの種類によって下地処理に使用する液剤なども変わりますので
車にどんなタイプの汚れが着いているのか把握する事はとても重要です!
1.無機汚れ
無機汚れとは、何かと何かが化合してできた汚れの事を言います。
車につく汚れとしては、
雨ジミやイオンデポジットやウォータースポットによる、水アカのような汚れ。
多くの人が悩まされている主な汚れはこちらが多いのではないでしょうか。
こちらの汚れは、専用の液剤で除去する事が可能です。
ピカピカレインではイオンデポジット除去剤という商品を取り扱っております。
しかし、こちらが厄介なのが水アカが付着し、長時間放置してしまうと
除去剤では落ちないという事も…!
そういった場合はコンパウンドで研磨しましょう。
研磨すると水アカは除去できますが、下のコーティングも一緒に剥離してしまうので
そちらは注意が必要となります!
2.有機汚れ
有機汚れは主に油汚れが多く、こちらはカーシャンプーで洗車して頂き、
脱脂剤で取り除く事が可能です。
ただし、油汚れと水アカが混ざったような汚れになりますと少し厄介です。
どういった物かといいますと、ミラーなどから垂れる黒いシミのような線の跡です。
こちらは、シャンプー洗車+脱脂で落ちない場合は、
研磨剤で一度剥離する必要がございます。
その他にもお住まいの地域や時期特有の汚れもございます。
●冬特有の汚れ
積雪する地域の場合、埃や汚れが混じった雪がボディに付着し、
そちらを放置すると水アカになってしまう事も…!
また、積雪のない地域であっても、空気が乾燥している為
大気中に埃や汚れが舞いやすくなるため、走行中に付着し
霧などによって一緒に水アカ化してしまうというケースも考えられます。
●春の汚れ
春になると大量の花粉・黄砂が舞います。
黄砂は泥のような硬い微粒子が含まれているため、放置すると車にこびりついてしまい
無理に剥離しようとするとボディを傷つけてしまう事もあります。
また、花粉が付着したまま放置すると、花粉に含まれているペクチンという物質が
塗装を傷めてしまいます。
●海の近く
こちらは塩害に注意が必要です。
ご存知の通り海水は多くの塩分を含んでいるので、風によって陸地まで運ばれ
車に影響がでてしまいます。金属は塩分に弱いため、放置すると車がサビてしまう可能性もあります。
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上記で紹介した汚れは一部ですが、他にも様々な種類があります。
お住まいの地域・季節・車の使用状況・環境によって
引き起こす汚れの種類は変わってきますので、
まずは自分の愛車がどんなタイプの汚れが付着しているかを把握することが大切です。
下地処理に必要な液剤はコチラ
下地処理に何がいる?あった方が良い??
一言に「下地処理」といっても、目的によって処理方法や必要な液剤は変わってきます。
・カーシャンプー
・脱脂剤
・コンパウンド
・イオンデポジット除去剤
があります。
ここでは目的別に使用する液剤をご紹介いたします。
①カーシャンプー
何より大切なカーシャンプー。ボディの汚れを洗い流すための洗剤です。
下地処理だけでなく、日々の洗車にも欠かせません。
カーシャンプーも様々な種類のものが販売されており、用途に合わせて選ぶことが大切です。
淡色用、濃色用、ワックス・コーティング剤入り、水垢落とし等々ありますが、下地処理の際には研磨剤やコンパウンドが配合されていない『通常タイプ』のカーシャンプーを使用してください。
また、通常タイプのカーシャンプーにも「酸性」「アルカリ性」「中性」が存在します。
・酸性
イオンデポジットやブレーキダストの除去に使用しますが、鉄やステンレスを溶かす性質があるため、日常的な洗車にはまず使用しません。
・アルカリ性
洗浄力が強く、油分や虫の死骸・鳥糞の除去に効果的です。
ですが、洗剤が残っているとボディにダメージを与えてしまうため、水で十分に洗い流す必要があります。
・中性
一般的なカーシャンプーのほとんどが中性で、下地処理に一番適しています。
洗浄力は低いですが、ボディの塗装面に影響を与えにくく、ほとんどの素材に使用することができます。
弊社のカーシャンプーも中性で、泡切れが良く、下地処理だけでなく日々の洗車にもピッタリです。
◎中性の家庭用は洗車に使える?
中性であれば使用することに問題はありません。
しかし、泡立ちや泡切れが車用のカーシャンプーとは異なるので、洗車後は十分洗い流さなくてはいけません。
下地処理には『中性』のカーシャンプーを使用しましょう。
②脱脂剤
脱脂とは、油分を取り除くことです。
脱脂をすることで、ガラスコーティング剤の定着を良くし、効果をさらに高めることができます。
脱脂剤はクロスにスプレーして拭きあげるものが一般的で、簡単に使用できます。
③コンパウンド
コンパウンドとは「研磨剤」のことです。
ボディのキズを消したり、古いコーティングを除去する際に使用します。
また、コンパウンドで磨き上げることで、ボディの塗装面の艶を復活させることも可能。
その際はプロの方にお願いしましょう。
④イオンデポジット除去剤
ボディに雨や洗車時の水滴を放置すると、シミが塗装面に固着し「イオンデポジット」と呼ばれる汚れになります。
頑固な汚れなので通常の洗車ではなかなか落とすことができません。
その際に使用するのが「イオンデポジット除去剤」です。
手軽に頑固なイオンデポジットを除去することができますが、とても強い成分なので使用には注意が必要です。
では、次に下地処理に必要な道具をご紹介いたします。
下地処理に必要な道具はコチラ
下地処理を自分で行う場合、液剤の他に道具の準備も必要です。
一般家庭にはおいていないものも多いので、
一例として「こういった道具があれば基本はOK」というものをご紹介していきます。
①マイクロファイバータオル
ボディを洗う際にも、拭き上げる際にも、更には液剤を施工する際にも必要不可欠です。
細かく使い分け※をしますので枚数があればあるだけいいですね。
※必ず役割ごとにクロスを分けてください。
横着して液剤のついたクロスをささっと水洗い→拭き上げに使用…などすると
思わぬトラブルや失敗につながります。
自信の無い方はクロスを色違いで買って使い分けをすると混ざらなくてベターです。
余っても内装掃除に使ったり出来ますので多めに用意しておきましょう。
毛羽立ちの少なく硬めで目の細かいものを選ぶのがおすすめです。
スポンジでごしごし洗うよりボディに負担をかけませんので、
下地処理だけなく普段の洗車でもマイクロファイバークロスで洗車するのがおすすめです。
②スポンジ
クロスをすすめた手前…、とは思いますが、
これも洗車用で1つ、コンパウンドでの研磨用に1つ~2つ用意しておくと良いと思います。
コンパウンド用もクロスで代用可能ですが、恐らく研磨にかなり時間がかかりますので
念のため用意していておいた方が良いでしょう。
スポンジも、洗車用とコンパウンド用を絶対に併用しないでください。
また、コンパウンド用スポンジについては専用のスポンジが量販店においてますので
出来ればそちらを買うようにしましょう。
③セーム
必須ではないですが、下地処理は洗車する回数が多いため
拭き上げの時短が施工時間の時短に直結します。
一度に広面積の水気を切れるセームは一枚あって損はありません。
ピカピカレインでも販売しています。
濡れていても乾いていても使えることが特徴です!
【ピカピカレインマイクロファイバーセーム】
https://www.pika2rain.com/fs/pikapikarain/all/TOP-CHAM
④電動ポリッシャー
電動の研磨道具です。
回転する機械にパッド(ウールやスポンジなど様々な種類があります)を装着し
コンパウンドつけて摩擦でボディーを研磨していきます。
スポンジやクロスで研磨する際とは比べ物にならない程
手早く傷消しや艶出しが可能で、広範囲を下地処理する際の要です。
が、ポリッシャーの選び方が実は一番難しいです。
研磨力が非常に高いため、同じ部位に当て続けてしまって
塗装にダメージが…などということがよくあります。
「素人でも大丈夫」「ワイヤレス」などと記載のあるものは力が弱く
研磨に時間がかかりますが、大きく削りすぎることもないため、
「時間はかかってもいいので大きな失敗は避けたい」という方には良いかもしれません。
そちらでもとれない水垢や傷などは業者に任せてしまった方が安心です。
もっと細かく説明すると、「シングルアクション」「ダブルアクション」など
ポリッシャーの種類によっても難易度が変わってきますが
とても長くなるので今回は割愛します。
出来る限り調べていただくのが良いかと思いますが、
分からなければ「ダブルアクション」を選択してください。
⑤その他
バケツ、ゴミ袋、延長コード、マスキングテープなどは必須ではありませんがあったら便利です。
バケツは言わずもがな。経験則でいうと2個程あれば便利です。
ゴミ袋は液剤等が不着していて洗わなければ再度使えない状態のクロスを放り込んでおけば、
綺麗なものとの区別がつきやすく、また後々洗う時にも便利です。
延長コードはポリッシャーをかける時にコードの長さが足りなくなるのを防止、
マスキングテープはポリッシャーがあたると困る部分を隠す(養生)のに必要です。
以上ですが、選ぶのに迷った場合は量販店の店員さん(オンラインショップの問い合わせ)に
作業内容と自分のレベルを説明しておすすめの品を教えてもらうのも一つだと思います。
下地処理でよく出てくるコンパウンドって…?
これまでのセクションでも少し登場した「コンパウンド」。
ここでは詳しく説明していきましょう。
コンパウンドとは
コンパウンド(compound)を直訳すると「化合物」という意味になりますが、
カーケアにおいては、研磨剤や石油系溶剤等(※商品により異なります)を液剤またはペースト状にしたものを呼びます。
つまりは「研磨剤」ですね。
使用の用途としては、以下のとおりです。
・傷の除去
・洗車で取れない水垢の除去
・古いコーティングの除去
ガラスコーティング施工前の下地処理としても、研磨はとても重要な工程です。
それはピカピカレインのガラスコーティングにおいても例外ではなく、
最大限の効果が発揮できるよう、以下の場合は研磨をお勧めしております。
・お車に傷、水垢、汚れ等がある
・既に他社様ワックスやコーティングを施工している
なお、基本的に新車に研磨作業は不要ですが、
ご厚意でワックスやコーティングがけをされているディーラー様もいらっしゃいますので、
確認していただくと良いかもしれません。
研磨作業に必要な道具
◆コンパウンド剤
弊社でも「たくさん種類があって、どれを選んだらいいか悩む…」という問合せをいただくことがあります。
コンパウンドには極細や超極細などがあります。
この差は粒子の大きさによって異なります。
ミクロンの数が大きいほど粒子が粗くなる、即ち研磨力が高いということになります。
研磨力が高い反面、塗装を傷つけるリスクも高りますので、
初めてチャレンジされる方は粗いものは避けた方が良いかもしれません。
なおピカピカレインでは極細を「表面仕上げ用」、超極細を「鏡面仕上げ用」としております。
◆スポンジ
狭い範囲への研磨をお考えの場合は、スポンジだけで問題ありません。
◆電動ポリッシャー
研磨作業も広範囲になってくると、スポンジで行うにはかなり大変です。
そこでお勧めなのが電動ポリッシャー。
種類は大きく分けて「シングルアクション」と「ダブルアクション」がありますが、
パワー重視なら「シングルアクション」、使いやすさ重視なら「ダブルアクション」
と覚えていただくとよいかと思います。
◆バフ
ポリッシャーに取り付けるパッドになります。
このパッドを車体に当てて、研磨をしていきます。
研磨方法
それでは、コンパウンドを使っての研磨方法をご説明いたします。
スポンジ編
(1)洗車
まずは大きな汚れを取るために車を洗車し、水分を拭き取ります。
(2)コンパウンドを塗布
バフにコンパウンドを適量つけます。
(3)研磨
気になる箇所をタテ・ヨコ・タテ…と直線的に磨いてください。
(4)コンパウンドを洗い流す
研磨後はよく洗い流し、綺麗なクロスで拭き上げます。
ポリッシャー編
(1)洗車
まずは大きな汚れを取るために車を洗車し、水分を拭き取ります。
(2)コンパウンドを塗布
バフにコンパウンドを適量つけます。
(3)研磨
バフを磨く面と平行に当て動かしながら磨いてきます。
この工程を小面積ごとに仕上げてください。
(4)コンパウンドを洗い流す
研磨後はよく洗い流し、綺麗なクロスで拭き上げます。
ご使用になるのがスポンジであってもポリッシャーであっても、
磨きすぎてしまうと塗装に影響が及びますので、十分にご注意くださいね。
下地処理の作業手順
①洗車
まずはカーシャンプーで洗車します。
洗車で落とせる汚れは、この時に全て落とします。丁寧な手洗い洗車を心がけてください。
ドアの内側、ミラー下、グリル回り等、忘れやすい細かな部分まで洗車していきます。
カーシャンプーでは、ほこりや日常的な軽い汚れ、耐久性のないコーティング等も落とすことができます。
シャンプー洗車後は洗剤が残らない様、たくさんの水で洗い流してください。
【注意】
洗車時の水道水がボディに付着したまま放置すると、イオンデポジットの原因となります。
この後の作業工程を行う前に、あらかじめ水分の拭き上げを行うことをおすすめします。
②イオンデポジット除去剤
イオンデポジットが発生している場合はイオンデポジット除去作業を行います。
コンパウンドでボディ全体に、磨きをかける工程を行うのであれば
イオンデポジット除去剤は使用しなくても問題ないです。(研磨時に落ちるため)
磨きの作業が入らない場合は、除去剤でイオンデポジットを取り除いてください。
イオンデポジット除去剤には
・コンパウンド(研磨剤)入り
・コンパウンド(研磨剤)入りでないもの
があります。
コンパウンド(研磨剤)入りのものは、除去力が高いが、研磨剤の粒子により、小傷がつく場合があります。
コンパウンド(研磨剤)入りでないものは、除去力がコンパウンド入りと比べて劣るが、化学成分によりイオンデポジットを
溶かすだけなので、傷等の心配はいりません。
ここでは「コンパウンド(研磨剤)入りでないもの」をおすすめします。
コンパウンド(研磨剤)入りでないもので落とせない場合は、④コンパウンド研磨にての除去をおすすめします。
③鉄粉除去剤
鉄粉がボディに付着している場合は鉄粉除去剤の使用をおすすめします。
鉄粉を除去するには
・液剤タイプ
・粘土タイプ
があります。
液剤タイプは化学物質で鉄粉を溶かし除去します。
粘土タイプは粘土に鉄粉を吸着させ、鉄粉を引き抜きます。
【注意】
液剤タイプを使用する際は置き時間に注意してください。
粘土タイプを使用する際は、たくさんの水を使用し、鉄粉を除去した面を内側にこまめに折り込むようにして
ボディを撫でます。
鉄粉が刺さった面ばかり使用すると、傷の原因となります。
④コンパウンド(細目→極細→超極細→鏡面仕上げ)
ボディ全体の状態を確認し、傷や広範囲の洗車で落ちない汚れがある場合はコンパウンドを使用します。
広範囲に傷等がある場合は、ポリッシャーとコンパウンドを使用し、研磨していきます。
小範囲(ドアノブだけ等)の場合は手磨きでも作業できます。
【注意】
コンパウンドでの研磨は、傷や汚れを削り落とす作業になります。
初心者の方はダブルアクションのポリッシャーで細目のコンパウンドを使用して磨きすぎに注意してください。
⑤脱脂剤
ボディの油分を除去します。
ボディに油分が付着していると、ガラスコーティング剤の定着が悪くなり、耐久性にも影響してきます。
新車の場合であっても、走行したり、ボディに触れている場合は洗車や脱脂をおすすめします。
脱脂剤にはたくさんの種類がありますが、使用するガラスコーティング剤と相性の良いものを選びましょう。
(ピカピカレインガラスコーティング剤には、アルコール性のピカピカレイン脱脂剤がおすすめです。)
最後に
ここまで下地処理について書いてきましたがいかがでしたでしょうか。
せっかくの自分の愛車を大切に、そして綺麗に保つためには下地処理は大切であることに気づいて頂けたかと思います。
たくさんの道具や液剤の用意もあり、作業に関してもなかなか大変な面もあるかと思いますが、大切な愛車を長くいたわっていくためにもやはり下地処理は欠かすことのできない作業なんです!
また、下地処理をきっちり行いガラスコーティングを施工していた車は手放す時に高値が付きやすくなったりもします…(小声)
冒頭でも書かせて頂いたのですが、綺麗にコーティングされている車ほど下地処理をしっかり行っていることが多いので、あなたの車を見た人が「あの人の車すごくきれいだな」と思っていると思うとうれしいですよね。なにより一層愛着が湧きますよね!
せっかくガラスコーティングを施すのであれば、下地処理もしっかり丁寧にやっていつまでもきれいでピカピカの車で過ごしましょう♪