2016.7.4超危険!?洗車やワックスがあなたの愛車を傷つけているかも!
■カーワックスの苦労
愛車を大切にしている方なら一度は経験しているワックスがけ。
しんどすぎて1度きりのかけっ放しで2度目を敬遠している方も多いのでは。
かくいう著者もこのような点に毎回苦労していました。
- ・時間がかかる
- ・体力を消耗する
- ・綺麗に仕上げるには技術が必要
現在のカーワックスは昔に比べて伸びが良くなり作業性も上がっているとはいえ、クロスやスポンジでの塗り込みと拭き取りが大変なことは変わりません。
自分の体の何倍かある車全体にワックスを塗り込むだけでもしんどいのに、往復で今度は拭き取りまでしないといけません。
固形ワックスだと塗り込みの際につけすぎてダマが残ってしまい、それを馴染ませるのにまた何度もスポンジやクロスをごしごし…。
非常に時間がかかります。
夏場だと汗だく、冬場は寒くて鳥肌なんてこともしばしば。
かなり体力を消耗します。
また、どれだけ気を使っていても手作業ではムラが発生します。
そこで完璧にムラなく仕上げようと思うと、ポリッシャーのような専用のツールも必要となります。
※カーワックスの種類によっては初めからポリッシャー前提のものもありますね。
なかなか一般家庭では気軽に準備できませんし、あったとしても専門のツールを使いこなすには時間と慣れが必要です。
また2度目の施工をする際は1度目のワックスの状態を気にかけなければなりません。
薄くなっている部分、厚くなっている部分を確認しつつ施工をしなければ一部だけ厚塗りのムラになったり、またワックスが不足して充分な効果を得られません。
と、なると全体的に落とした方が早い!と思われがちですが、固着したワックスを落とすのはこれも至難の業。
何度も繰り返しシャンプー洗車をしたり、もっと強く定着しているものであればコンパウンドでの剥離が必要です。
これが1年に1回や3年に1回であれば問題ないのですが、ワックスにはそこまでの耐久性がないため月ごと週ごと等、何度も作業が発生してしまいます。
■カーワックスをする目的
輝き
愛車を輝かせたい目的でカーワックスを施工する方が多いのではないでしょうか。
カーワックスの特徴として、車に艶を出すという効果があります。基本的に、ワックスはロウを主成分としています。
特にカルナバロウを成分に配合している固形ワックスは、ぬるっぎらっとした、ノーワックスの車では再現できない深い艶をボディにまとわせることができます。
洗車市場でもカルナバロウを配合したカーワックスは大変人気です。
また、カルナバロウは植物由来で酸化しにくい原料なのでボディへのダメージが大変少ないのですが、配合比率が極端に少なかったり、ボディに悪影響を与える可能性がある石油系溶剤が多数配合されているカーワックスもありますので、いくら輝く!と記載されているカーワックスでも選ぶ時には注意が必要です。
撥水
カーワックスを車に施工し、雨などの水に打たれると、葉が水をはじくように、ボディが撥水状態となります。
ボディが撥水状態になると、水はけがよく、洗車後の拭きあげが楽になりますし、ボディに水が張り付かないので、車の見た目も美しくなります。
ただ、ノーワックスの親水状態と比べると撥水は水玉になってボディに付着するのでイオンデポジットができやすくなったり、水滴のレンズ現象によりウォータースポットが出来やすくなる可能性があります。
これを踏まえても、水切りや水玉が走る姿が爽快だからという理由で撥水状態になるカーワックスを好んで施工している方が多いのが現状です。
持続力
カーワックスの持続力は固形ワックスで1ヶ月程、液体ワックスで2~3週間程になります。
しかしこれはあくまでも目安で、固形ワックスでも雨が多い時期などは2週間ほどで落ちてしまい、光沢や撥水性能がなくなってきます。
また、カーワックスが落ちるだけなら良いのですが、洗車やメンテナンスを怠ると、ボディの細かな凹みや傷にワックスが入り込み、
時間の経過と共に酸化してしまうことが多いです。これがボディを痛める原因となります。
酸化したワックスは塗りたてのワックスと違い、なかなか落ちませんし、隙間に入ってしまうと洗車では落としにくくなります。
カーワックスは最低でも一ヶ月に一度はシャンプーと再施工を行い、常にフレッシュな状態にしておきましょう。
■水を流すだけではボディ表面の汚れは落ちない
車は放置すると、どんどん汚れていきます。ボディの表面にホコリ、汚れ、油分が積み重なって層になるので、水洗いしても一番上のまだ定着していない汚れが流されるだけで、実際には表面にまだ汚れが残っているのです。
さらに時間が経ち、こびりついてしまった頑固な汚れは、水洗いだけではもう簡単に落とすことはできません。
さらに、そのままの状態でボディをスポンジ等で擦ってしまうと、残留したホコリでボディを引っかき、塗装を傷つけてしまう原因にもなります。
目に見えない汚れが残っているのに、綺麗になったと安心していると、気付いた時には、取り返しのつかない程愛車にダメージを与えているということにも繋がるかもしれません。
■カーシャンプーで傷になる?洗車の問題点
車のボディに砂やホコリが付いた状態でカーシャンプーを行うと、もちろんですが塗装に傷がつく可能性が高まります。
ですが、そもそもカーシャンプーを使って洗車を行うのは、水だけでは落ちない汚れを落とすためです。砂やホコリだけではなく、虫の死骸や油、手垢など、特に手垢などの脂分は、シャンプーでないと落ちないため、放置すると汚れはどんどん蓄積されていきます。
また、もうひとつの弊害は合成界面活性剤です。
界面活性剤は水と油をくっつける機能があり、車のボディの汚れを浮かせて水で流すために多くのカーシャンプーに含まれているものです。
カーシャンプー後の水洗いが不十分であることにより、界面活性剤の成分がボディに残り腐食の原因につながります。
そのため、カーシャンプー後は泡だけを流すのではなく、しっかりと水洗いを行う必要があります。
■本当はこわい自動洗車機
オーナーは車の中に入ったままですので、どれくらいの水を用いてどれくらい汚れを取ったのか、確認できないまま洗車が終わってしまうので、何が問題かもわからないままになります。
それに自動洗車機では車がもともともっていた砂、ホコリ、付着物による傷は防げません。
車の塗装を長持ちさせるには、極端にいうと洗車をしないことが一番ですが、そうも言っていられません。
傷をつくのを恐れて洗車を行わないと、愛車は汚れやくすみでいっぱいになり、気持よくドライブをすることができなくなります。
■そのままワックスを上塗りしてしまうと…
洗車を行いワックスがけが完了すると、艶が出てその美しい仕上がりに嬉しくなりますよね。
ですが、さきほども書いたように、カーシャンプーが残ったままワックスをかけてしまうと、界面活性剤などの成分が残ったままワックスの内側に封じ込めてしまうことになります。
ここに紫外線などが当たり、劣化を促進することで、塗装のくすみが出たり、最悪の場合クレーターなどの跡が残ってしまう場合があります。
また、ワックスの主成分である油脂は、膜をはることで、一見外気から塗装面を保護しているように見えます。しかし、油脂は酸化が早く、隣り合う物質への酸化の連鎖を促す性質があります。
つまり、ワックスのすぐ下の塗装面は酸化と隣合わせであるとも言えるのです。
ワックスをかけるという行為は、全てスポンジや布で裸のボディを擦る必要があります。ここでもし、車体のどこかで汚れが付着していたら、ボディの傷を増やすことになります。
ボディに傷が増えた場合、ワックス表面も均一でなくなり、撥水の性能も短期間で落ちてしまいます。
艶が消えたらまたワックスをかけて傷をつけてしまい、すぐにくすむので、またワックスをかけるという悪循環に陥ります。
ワックスの目的は「艶出し」です。
その目的とは裏腹に、ただボディを傷つけてしまう洗車は今すぐやめて、正しい洗車で愛車を守りましょう。
■ボディに傷をつけない正しい洗車の方法
最後に、水洗い、シャンプー、ワックスでの正しいメンテナンス法をご紹介します。
どの方法でもそうですが、特に注意すべき点は、以下の3点です。
- ・気候
- ・道具
- ・工程
この3つを守っていれば、少なくてもこれ以上あなたの愛車を傷つける恐れはありません。
以下に、それぞれの方法で特に気を付ける事を記載していきます。
- ◎ →要注意!!
- ◯ →まぁまぁ注意!!
- △ →それほど重要では無い・・・
水洗い | シャンプー | ワックス | |
気候 | ◎ | ◎ | △ |
道具 | △ | ○ | ○ |
工程 | △ | △ | ◎ |
水洗い
1.気候
特に夏場の日中は、要注意です。太陽からの暑い日差しによりボディが熱をもち、表面に残った水滴がすぐに蒸発するので、結果的にイオンデポジットの原因となります。もし夏場に水洗いをするのであれば、早朝か日没後の比較的涼しい時間帯が望ましいでしょう。
どうしても日中でないとダメな場合は、熱くなったボディを一定時間放水で冷ましてから作業に移ると、イオンデポジットを避ける事が出来るでしょう。
2. 道具
必要なものは、
- ・ホース
- ・マイクロファイバークロス
の2点です。
特に水洗い用のクロスについては、目が粗いものを使うと、ボディに小傷が残る恐れがあるため、必ず洗車用のきめが細かいものを選ぶようにしましょう。
また、あれば嬉しいものとして、
- ・洗車ノズル
- ・脚立
などがあげられます。
乗用車でも、ミニバンやワゴン車になると、屋根を洗う時に手が届かない。ボンネットやフロントガラスの真ん中部分がしっかりと洗えない。といった問題も出てくるかと思います。もし、大きめの車に乗っている場合は、脚立を新たに購入する事も視野に入れると良いでしょう。
3. 工程
水洗いの場面では、特に目立って気を付ける事は無いかと思います。しいて言うのであれば、夏場はすぐに水を拭きあげ、イオンデポジットを避ける事です。せっかく車をキレイにしたにも関わらず、その作業で逆に車を汚してしまっては、本末転倒です。暑い時期はくれぐれも気をつけましょう。
シャンプー洗い
1.気候
シャンプー洗いに関しても、結局は水を使うため、イオンデポジットには気を配る必要があります。夏場の暑い時期は、タイミングをよく見計らってから作業に取り掛かりましょう。
2. 道具
主に必要な道具は、下記の通りです。
- ・シャンプー
- ・バケツ
- ・ホース(洗車ノズル付きが好ましい)
- ・マイクロファイバークロス2枚
まず、シャンプー洗いをする目的ですが、水洗いで落ちない汚れを落としやすくする。というのは、皆さんあたりまえに思っている事だと思います。
ですが、真の目的は、水洗いのみの洗車で起こる摩擦を、シャンプーの泡を使って減らす事にあります。その結果、ボディに付く小傷を極限まで減らすことが出来るのです。
さて、ここからが、本題です。それぞれの道具の選び方に着目してみましょう。
■シャンプー
出来れば、界面活性剤と水のみが入った、純粋なものを選んでください。
商品の中にはポリマー成分やその他添加物が入ったものもありますが、汚れ落としの主成分である界面活性剤の働きを邪魔する恐れがありますので、
あまりおすすめはしません。また、ボディーへの負担(摩擦)を少しでも軽減するため、泡立ちの良いものを選ぶのも、重要です。
■ホース(ノズル付き)
通常のホースでも良いのですが、ノズルが付いていれば、ジェット噴射で、バケツに入れた水+シャンプーを適度に混ぜる事が出来、その結果泡立ちが抜群に良くなります。
■マイクロファイバークロス
洗車用と拭き上げ用の2枚あると、良いでしょう。水洗いの場面でも出た様に、ボディーへの洗車傷を防ぐために、出来る限りキメが細かいものを選ぶ様にして下さい。
3. 工程
まず、水洗いでボディーの大きな汚れを落としましょう。次に、バケツに入っている水にシャンプーを適量混ぜ、ノズル付きホースのジェット噴射で泡立ちを良くしてください。
ホースにノズルが付いていなければ、手でホースの口の中央を塞ぐと、勢いよく水が出ます。
シャンプーで車を洗った後は、速やかに水で洗い流し、乾いたマイクロファイバークロスで綺麗に拭きあげて下さい。
この際、ドアやハッチバックの隙間に水がたまりやすいので、拭き残しに注意する事が重要です。
■上手なワックスの施工
(1)まずは施工の最中に焦らない様、必要なものを手元に準備しましょう。
ワックスによっては準備するもの、施工方法が違いますので
必ず各々の説明書をよく読んで施工してください。
今回は一般的な固形ワックスを全体に説明します。
【用意するもの】
- ・固形ワックス本体
- ・ワックス塗布用のスポンジ(大抵はワックスに同梱されています)
- ・車体を湿らすための水が入ったスプレーボトル
- ・拭き取り用、予備のマイクロファイバークロス数枚
(2)まずはスポンジに少しだけ水を吹きかけ湿らせます。
ワックスの上でくるくると円をかく様に動かしワックスを適量つけます。
【POINT】
施工はパーツごとに行うとスマートです。
ボンネット半分、ドア、屋根…等。
塗って拭いてを素早く行うことが美しい施工のコツですので
まずは範囲を決めて施工していきましょう。
そしてすーっと塗り伸ばしていきます。
ワックスがかなり引っかかるようであればボディにも水を少量スプレーし伸びを良くします。
(3)白く固まらないうちにクロスで根気よく拭き上げます。
この作業がなかなか大変です。
これが完全に固まって白くなると拭き上げがとても大変になります。
ごしごしと車を何度もこすらなければならなくなるのでご注意を。
(4)全て施工し終わったらムラがないか見る角度を変えて確認しましょう。
ムラを見つけたら急いでクロスで伸ばしてください。
どうしても落ちない場合少し水分を足すと良いです。
(5)最後に、この工程はなくても構いませんが、
今まで拭き伸ばしていたクロスと異なる新しいクロスで
力を入れずに軽く二度拭きをしていきます。
この工程を挟むことにより、よりワックスの艶が増します。
(6)愛車に美しい艶が出て完成です。
最後に
以上、いかがでしたか。
正しくない洗車とワックスは思った以上に愛車にとってダメージとなります。
どちらもきちんとした手順で施工して愛車を傷つけない様、カーケアしてくださいね。